お口の中の歯をすべて失った場合、総入れ歯かインプラントを選択することになります。インプラントは1本でも数十万円の費用がかかるため、総入れ歯を選ぼうと考えている方は多いのではないでしょうか。
しかし、総入れ歯はインプラントと比べて口腔機能が改善しないため、食生活や会話などに支障をきたす可能性があります。
だからといって、すべての箇所にインプラント手術を行うのは、患者さまの体にとって大きな負担がかかる上に、非常に多くの費用がかかってしまいます。
それを軽減し、できるだけインプラントの本数を抑えたい方におすすめの方法がフルマウスインプラントです。
フルマスウスインプラントとは、数ヵ所のインプラント体で、お口の中のすべての歯を支える治療メニューです。
まず、すべての歯を補うブリッジや入れ歯を作り、それを数ヵ所のインプラント体で固定します。入れ歯との大きな違いは、インプラントによってしっかりと歯を固定できることです。そのため、天然の歯と同じように不自由なく噛むことができます。
当院で取り扱っているフルマウスインプラントは、次の3種類です。
ALL ON 4 / ALL ON 6
ALL ON 4(オールオンフォー)は、4ヶ所にだけインプラントを埋め込み、すべての義歯を支える方法です。ALL ON 6(オールオンシックス)は、インプラント体を6ヶ所に埋め込みます。上下のどちらかの歯をすべて失った場合に適用できます。
入れ歯のように義歯が連結したものを装着することになりますが、入れ歯とは違って床がついていません。床があごの内側を覆うことで、食べ物の温度や感触が感じにくくなるため、入れ歯は食事を楽しめなくなることがあるのです。
ALL ON 4やALL ON 6であれば、食べ物の温度や感触をしっかり感じとることができます。また、自然の歯と同じようにしっかり噛むこともできるため、好きなものを食べられます。なお、手術を受けたその日に仮歯を入れるため、柔らかいものであれば問題なく食べられます。
費用
■義歯type(4本)
インプラント | 仮歯 | (人工歯) | 上部構造(税込) | 合計
27.5万×4本=110万 | 11万 | 硬化レジン歯+ アクリルレジン 88万 | 209万 |
■義歯type(6本)
インプラント | 仮歯 | (人工歯) | 上部構造(税込) | 合計
27.5万×6本=165万 | 11万 | 硬化レジン歯+ アクリルレジン 88万 | 264万 |
■Bridge type(4本)
インプラント | 仮歯 | (人工歯) | 上部構造(税込) | 合計
27.5万×4本=110万 | 11万 | ハイブリッドセラミック+ チタンフレーム 121万 | 242万 |
■Bridge type(6本)
インプラント | 仮歯 | (人工歯) | 上部構造(税込) | 合計
27.5万×6本=165万 | 11万 | ハイブリッドセラミック+ チタンフレーム 121万 | 297万 |
※費用には消費税が含まれています。
ロケーターインプラント
数ヶ所にインプラントを埋め込み、総入れ歯を固定する方法です。固定するといっても、入れ歯を取り外すことができるため、しっかり清掃できます。また、手持ちの総入れ歯をインプラント体に連結させて使うことも可能です。
下あごに適用されることが多い方法で、2本のインプラント体で入れ歯を支えます。上あごは、下あごの骨と比べて柔らかいため、4本以上のインプラント体で支える必要があります。そのため、ロケーターインプラントよりも、ALL ON 4 / ALL ON 6がおすすめです。
価格:88,000円/本
Oリングインプラント
入れ歯に丸い小さなゴムを取り付けます。そして、インプラントと繋げたアバットメントに連結させます。耐久性が優れていますが、ゴムが経年劣化するため、定期的なゴムの交換が必要です。また、横向きに強い力が生じるため、比較的硬い下あごへの適用が向いています。
価格:88,000円/本
予算に合わせて治療法を選ぶことをおすすめします
インプラントは、定期的にメンテナンスが必要です。その度に費用がかかるため、インプラントの本数を増やせば増やすほどランニングコストがかかってしまいますが、フルマウスインプラントを選ぶことで、インプラント治療の費用を抑えられます。
フルマウスインプラントであれば、ランニングコストまで抑えられるため、経済的に大きな負担がかかり続けることもありません。また、インプラントは天然の歯と同じく歯周病のリスクがあるため、その際の治療のことも考える必要があります。
このように、歯科治療には様々なことに費用がかかるため、予算に合わせて治療法を選ぶことが大切と言えます。費用を抑えることができれば、他の治療に費用を割くこともできるでしょう。