前歯が歯周病の悪化で抜けてしまう、不慮の事故で折れてしまう。
意図せず前歯を失ってしまう可能性があります。
しかし、「最悪、インプラントができるから大丈夫だ」と思う方がいらっしゃるかと思います。
前歯も他の歯と同様に、できないケースというのが存在するのをご存知でしょうか?
今回は、前歯のインプラント治療ができないケースとその原因・対策について、詳しく解説していきます。
前歯を失う可能性は誰にでも起こりえます。その万が一に備えて、是非ご覧ください。
前歯のインプラント治療が難しいケース
前歯のインプラント治療が難しいケースとしては、大きく2つあります。
- 骨が薄い場合
- 骨の高さがない場合
失われた骨の量にもよりますが、この2つの場合は前歯のインプラント治療が受けられない可能性が出てきます。
骨の薄さや高さは、先天的な要因や歯周病などの要因で決まってきます。
例えば、歯周病で前歯がグラグラしている状態で放置していたり、炎症が起きているのに放置していたりすると、その部分の骨が薄くなり、高さがなくなっていきます。
つまり、先天的な症状以外でも、歯周病などが悪化することで前歯のインプラントができなくなる可能性が高まるということです。
前歯のインプラントが出来ない原因と対策
前歯のインプラントができない2つのケースについて紹介してきましたが、次は、インプラントができないそれらのケースの原因について説明していきます。
先ほど紹介した歯周病以外にも、原因は存在します。
主な原因は下記の通りです。
- 外傷
- のう胞、腫瘍
- 歯周病
- 歯根破折(歯の根っこが折れること)
- 過重咬合
これらの症状が前歯に発生していたり、発生してしまったりすると抜歯をしなければならないことがあります。早期に抜歯をすることができれば、周囲の骨の残存具合や抜歯後の処置次第では、骨が再生します。結果的に、上記のような原因でも前歯のインプラントができることがあります。
しかし、早期に症状を把握できず、前歯に違和感があるのを騙しだまし使っている方もいらっしゃいます。その状態が数年続いてしまうと、抜歯をしても骨の量が少なく、回復もしにくいため、前歯のインプラントができなくなることが多いです。
このような状態にならないための対策として、前歯に違和感があるという方は骨の状態をCT撮影し、正確な診査・診断のもとで適切な処置を受けることをおすすめいたします。
また、保険診療でのX線診察は、ほとんど2Dでの診断のため、正確には判断しにくく、抜歯時期が遅れてしまう可能性もあります。そのため、可能であればCTによる3D診断を受診しましょう。
骨造成(GBR)による前歯のインプラント治療
前歯のインプラントができない場合として、「骨が薄い場合」、「骨の高さがない場合」についてご紹介してきましたが、これらの場合も骨造成(GBR)法を施すことで前歯のインプラント治療をすることは可能となります。
では、骨造成(GBR)法とはなにか、メリットやデメリットについて解説していきます。
骨造成(GBR)法とは、骨を増やしたい箇所に、人工骨や自家骨(患者様の自身の他の箇所の骨)を使用し骨の量を人工的に増やし、特殊な膜(メンブレン)を使用して、歯肉を縫合する治療方法です。
インプラント手術を同じ手術で行う同時法と先に骨造成を行う段階法があります。
この骨造成(GBR)法のメリットは、単純に骨が薄かったり、高さがない箇所にもインプラント手術を施せるということです。
しかし、その反面デメリットとして、合併症の可能性やインプラント手術の予後に不安を与える可能性があります。
具体的には、歯肉退縮や炎症、排膿などの合併症が5〜20%起きる研究結果が出ております。さらに、天然歯(元々生えている歯)と比較し、強度などは劣るため結果的にインプラント手術後は経過観察やメンテナンスが重要になってきます。
それ以外にも、以下のようなデメリットが存在します。
- 造成した骨の感染症リスク
- 造成した骨の自然消失や現象の可能性
- 手術の複雑化による痛みや腫れのリスク
- 手術の複雑化による身体的負担
- 喫煙や全身疾患、清掃不良などによる成功率の低下
※当法人では、上記のリスクなどを考慮し、極力、骨造成(GBR)を避けることが良いと考えています。
骨造成(GBR)についてご理解いただけたでしょうか?
前歯のインプラント時に骨造成をしなければならないようであれば、しっかりとメリットとデメリットを理解しましょう。
また、前歯は食べ物を噛むこと以外にも見た目が重視されますので、安易に骨造成を選択せず、担当医の方としっかりと話し合ったうえで、治療の臨まれることをおすすめいたします。
インプラント治療した前歯の10年後
できない状態から前歯のインプラントを行う方法をご紹介してきました。しかし、インプラントができたとしてもその後もリスクがあることも理解しましょう。
骨造成などの方法でインプラントができたとしても、10年後などの将来的には、問題が起こる可能性があります。
その一例として、「インプラント周囲炎」があげられます。
膿や血が出ることで、骨が痩せて細くなり、インプラントが抜けやすくなったり、グラグラと動いたりします。
さらに、年月が経つことで歯肉が下がったり、薄くなったりすることで、インプラント自体が見えてしまい、結果的に口元の見た目が悪くなる可能性があります。
これらの問題の要因は、骨や歯肉の薄さだけでなく、日頃の歯磨きやタバコ、歯ぎしりや食いしばりなども関係してきます。
前歯のインプラントを骨造成などの治療で行った場合などは、手術後のメンテナンスや定期検査を怠らないようにしましょう。
東京で前歯のインプラントでお困りの方へ
前歯のインプラント治療ができない原因として「骨が薄さ」「骨の高さ」を説明してきましたが、保険診療での診断では2Dのレントゲンを使用することが多く、立体的には骨の状態について判断することは難しいです。
そこで当院では、無料相談とともに、CTでの3Dの検査を施し、診断しております。
当院は、インプラント治療専門の歯科医院として、患者様のご希望や症状に合わせた治療方法や治療計画をご提供しております。
無料相談時には、前歯のインプラントへの疑問や現状の前歯の状態など患者様が気になることを質問してください。
また、患者様がアクセスしやすいようJR「東京駅」や「日本橋駅」から徒歩圏内に医院を構えておりますので、東京都で前歯のインプラントでお困りの方は是非お越しください。