1回法インプラント | 監修:東京日本橋デンタルクリニック

従来のインプラント治療は、2回の手術を受けなければなりません。1回目の手術では、歯茎を切開し、あごの骨にインプラントを埋め込みます。そして、インプラントとあごの骨が結合するまで待ちます。インプラントとあごの骨がしっかり結合したら、もう一度歯茎を切開してインプラントの上部を露出させ、アバットメントという連結器具を装着します。

アバットメントでインプラントと義歯を繋げれば、手術は完了です。このように、2回の手術が必要になるため、患者様の心身にそれだけ大きな負担をかけることになります。

1回法インプラントは、最初からインプラントとアバットメントが繋がっているものを使うため、1回の手術で済みます。


1回法インプラントのメリットMerit

身体への負担が少ない

従来の2回法インプラントでは、歯茎を2回切開することになります。歯茎を切開したことによる痛みや腫れに2回も悩まされるのは、患者様にとって避けたいことと言えるでしょう。また、手術の回数が多いということは、通院の回数も多いということです。遠くからお越しの患者様は、交通費や体力などにおいても問題となります。1回法インプラントであれば、1回の手術で済むため、心身への負担を抑えることが可能です。

費用を抑えられる

手術を2回行えば、手術に使用する消耗品や技術料などがかかるため、それだけ費用が高くなります。1回法インプラントであれば、2回法インプラントと比べて費用を抑えられるのです。これは、インプラントとアバットメントが繋がったものを使うため、材料費を抑えられるからです。

治療期間が比較的短い

1回の手術で済むということは、治療期間を短くできるということです。治療期間が短いと、早く食事への影響を改善できます。歯を失うことで、周りの歯に負担がかかり、歯のすり減りや歯茎へのダメージなどに繋がります。つまり、治療期間を短くできることは、歯への負担や食生活への支障を抑えられるということです。


1回法インプラントのデメリットDemerit

清掃性が少し低い

1回法インプラントは清掃性が少し低めです。インプラントには人工の歯を被せますが、天然の歯と同じように歯周病になることがあります。これをインプラント周囲炎といい、放置することでインプラントが脱落する可能性もあるのです。清掃性が少し低くても、日々のブラッシングなどの口腔ケアを十分に行い、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けていただくことで、インプラント周囲炎のリスクを大きく低減できます。

人工歯を別の種類に換えることが難しい

1回法インプラントの場合、人工の歯を別の種類のものに交換することが難しくなっています。審美性にこだわりたくなっても、審美性が高い人工の歯に交換できない可能性があるのです。そのため、インプラント治療を受ける前に、自分に合った人工の歯をよく考えて選ぶ必要があります。

骨再生法を行った場合の感染リスクの増加

骨再生法という方法を併用する場合、少しだけ感染のリスクが上がります。ただ、インプラント治療に感染のリスクはつきものであり、1回法インプラントが特別危険な治療というわけではありません。当院では、感染リスクを抑えるために、安全性や衛生面に十分に配慮しておりますのでご安心ください。

このように、1回法インプラントは、身体への負担や金銭的な負担を抑え、早く口腔機能を取り戻すことができる方法となっています。デメリットに関しては、いずれも大きな問題に発展する可能性が低いものとなっているため、1回法インプラントを選ばない理由にはならないでしょう。デメリットが気になる方は、一度ご相談いただければと思います。