スプラインインプラント
スプラインツイストMP-1は独自に開発した技術であるプラズマMP-1を施し、インプラント体全面にハイドロキシアパタイト(HA)をコーティングしています。
そのため、チタン製のインプラントよりも積極的に骨と結合する性質を持ち、治癒期間も短期間だとされています。
スプラインツイストMP-1の骨との結合率が良いとされているのか、チタン製インプラントとの違いなどについて、詳しくご紹介します。
スプラインツイストMP-1とは?
Spline Twist MP-1
スプラインツイストMP-1はインプラント体の表面全面に、ハイドロキシアパタイト(HA)を独自に開発したコーティング技術であるMP-1を採用しコーティングすることで、結晶率97%という高い結晶率を実現することに成功しました。ハイドロキシアパタイト(HA)との元素記号はCa10(PO4)6(OH)2であり、リン酸カルシウムの一種とされています。
私たちの身体は水分を主な主成分としてできていますが、ハイドロキシアパタイト(HA)とは、私たちの身体の骨60%、歯の表面組織であるエナメル質97%、象牙質70%の割合で形成しており、唾液にもハイドロキシアパタイト(HA)が含まれていることからも、口腔内にとってハイドロキシアパタイト(HA)は欠かせない物質として認識されています。
現在では合成ハイドロキシアパタイト(HA)が開発され、人体と大変なじみがある安全性にも優れたバイマテリアルとして、口腔内でおこなう歯の治療材料の1つとして取り扱いされています。
そのハイドロキシアパタイト(HA)と人骨の両者の表面組織にカルシム(Ca)が沈着する性質があり、ハイドロキシアパタイト(HA)をコーティングしたインプラントであるスプラインツイストMP-1を歯槽骨に埋め込むことで、両者がカルシウム(Ca)を吸収することによって結合します。この生化学反応こそがバイオインテグレーションであり、スプラインツイストMP-1の最大の特徴となります。
コーティング技術MP-1はどんな技術?
ジンマー・デンタル社の代表的な技術であるMP-1はどのような技術なのでしょうか?
5000~15,000℃のプラズマ炎でハイドロキシアパタイト粉末を加熱し、インプラント体全面に吹き付けコーティングする技法であるプラズマ溶射法をおこないます。ハイドロキシアパタイトでコーティングされた層に更にジンマー・デンタル社独自のMP-1処理をおこなうことで、ハイドロキシアパタイト(HA)の結晶率が97%にまで高めることができ、コーティングの溶解や消失することもなく、コーティング表面の粗さを4.9㎛、コーティング層の厚みを50㎛に仕上げることに成功しました。
このようにジンマー・デンタル社独自の技法をおこなうことで、ハイドロキシアパタイト(HA)の結晶率を97%にまで高めたスプラインツイストMP-1・インプラントは、カルシウム(Ca)を吸収する性質をもつハイドロキシアパタイト(HA)をコーディングしているため、同じくカルシウム(Ca)を吸収する性質をもつ歯槽骨(人骨)に埋め込むことで両者が結合し、インプラント体と歯槽骨を繋ぐカルシウムブリッジが形成され、更に歯槽骨を形成する細胞が働く力(骨伝導能)がインプラント体と歯槽骨を強固に結合させます。このような結合仕様を「バイオインテグレーション」と呼ばれます。
スプラインツイストMP-1最大の特徴
About
では、スプラインツイストMP-1最大の特徴である、バイオインテグレーションの効果をご紹介します。
インプラント体と歯槽骨を繋げるカルシウムブリッジを形成させることで、歯槽骨がインプラント治療をおこなうことが難しい状態と判断された場合にも、歯槽骨を形成する細胞が働く力(骨伝導能)が優れているため、インプラント体を埋入することを可能としました。
特に、抜歯後時間を置かずインプラント体を埋入する技法である抜歯即時埋入法では、バイオインテグレーションの効果が期待できるために、抜歯後に歯を抜いて出来たスペース(抜歯窩)を利用して、抜歯直後に入れるインプラント体として多く用いられ、人体に移植することを目的としたバイマテリアルであるハイドロキシアパタイト(HA)だからこそ、術後の患部への痛みや腫れなどの影響も少なく、チタン製のインプラント体と比較しても治癒期間も早期であると報告されています。
また、インプラント体が歯槽骨内でネジを切りながら埋入し続ける、セルフタップである唯一のハイドロキシアパタイト(HA)製のインプラントであり、インプラント治療を成功させるポイントといわれている初期固定に優れています。
高い維持力と抵抗力
インプラントは歯槽骨に埋入するインプラント体と人工の歯(上部構造)、そしてそれらを繋ぎとめる連結部分を「スプライン」と呼ばれるアバットメントで構成されていています。
その「スプライン」は、ジンマー・デンタル社独自のエクスターナル構造となっていて、インプラント体とインターフェイス分に突出した6つのタイン(凸)とアバットメント内部に形成されたスロット(凹)を篏合させます。
インプラント体と人工歯(上部構造)を繋ぎとめ維持しながら、アバットメントの回転抑止、スクリューの弛み防止などの役割を果たしています。
チタン製とハイドロキシアパタイト(HA)製の違い
チタンインプラントと歯槽骨と界面には、ムコ多糖体タンパクを介してわずかな誤差が生じ、ミクロレベルで視てみると、完全に結合していないことがわかります。
一方、ハイドロキシアパタイト(HA)と歯槽骨との界面にはカルシム(Ca)が吸着しており、ミクロレベルで視ても、直接骨とインプラント体が結合しており、高い結合性を持ちます。