インプラントの種類について

失った歯を修復する方法として「インプラント」は、天然歯と変わらない見た目や機能性を持つ画期的な装置です。とはいえ、「どんな装置であるかいまいち分からず不安」という方もいらっしゃるでしょう。そこで今回はインプラントの「種類」について詳しくご紹介します。

なぜインプラントの「種類」を知っておく必要があるのか

日本国内で受けるインプラント治療は、厚生労働省から認可された材料を使用することが原則となっています。しかし最近では、安価なインプラント治療を広告している歯科医院もあります。これは、歯科医師の責任の下であれば、インプラントの輸入・使用ができることから、海外製の安価なインプラント材で価格を抑えることができるためとも考えられています。

どんな種類のインプラントを使うのか確認しておくことの大切さ

    もし国内未認可のインプラントであった場合、インプラントの失敗や保証がないなどのトラブルにつながった例もあります。違法でなくても、デメリットやリスクも考慮した上で治療を受けなければなりません。
    過去の治療実績や、もしもトラブルが起こってしまった場合に保証はどうなるのかなど、しっかり確認しておくことが必要です。

    インプラントの基本構造

    歯科インプラントは、顎の骨に埋入する人工歯根「フィクスチャー」、失った歯の代わりになる人工歯「上部構造」、そしてそれらをつなぐ連結装置「アバットメント」という3つの構造でできています。これら装置は1種類ではなく、いくつかの構造やメーカーなどに違いがあります。

    インプラントの種類は100種類以上!

      インプラント体は世界で100種類以上、日本国内でも30種類以上の製品が使われています。メーカーごとに規格が異なるため、他社製品と組み合わせて使うことができません。また、インプラントを装着するための器具もメーカー毎に異なるため、施術した医院とは別の医院で修理や調整ができない場合もあるのです。

      インプラント構造の種類

        インプラントには構造の違いによって「1ピースタイプ」と「2ピースタイプ」があります。それぞれのメリット・デメリットがあるため、歯科医院がどのタイプを採用しているのか、事前の説明をよく確認しておきましょう。

      1. 1ピースタイプ
      2. 人工歯根部と連結装置(アバットメント)が一体化している構造です。人工歯根の埋入手術の際にアバットメントも付いた状態であるため、上部構造を装着する日に再度歯肉を切開する必要がありません。ただし、アバットメントに不具合が起きた場合は人工歯根部も一緒に撤去が必要になる可能性があるというデメリットもあります。

      3. 2ピースタイプ
      4. 人工歯根部を埋入手術後、骨や周辺組織と適正に結合してからアバットメントを連結させます。アバットメントや人工歯に不具合が起こった場合、その部分だけを取り外すことができるメリットがありますが、人工歯根の埋入後に最度歯ぐきを切開する必要があります。

      インプラントを構成する材料の種類

        インプラントは構造だけでなく素材にもいくつか種類があります。どれも身体への影響や操作性などを考慮して作製されてますが、金属アレルギー等の心配がある方は特に素材には注意し、説明を十分理解し納得した上で治療を受けることをおすすめします。金属アレルギー用のジルコニア素材のインプラントもあるので、扱っているか歯科医院で確認してみると良いでしょう。

      1. 純チタン
      2. チタンは骨や周辺組織との結合性が良く、金属アレルギーも起こしにくいとされています。

      3. チタン合金
      4. 純チタンと合金で構成されています。純チタンの割合が高く、骨や周辺組織との結合性は高い素材です。金属アレルギーに不安のある方は、合金の素材が何であるか等確認しておきましょう。

      5. ジルコニア
      6. ジルコニアは人工ダイヤモンドにも使われる素材です。生体親和性に優れ非常に高い強度を持つだけではなく、耐久性や耐熱性にも優れています。ジルコニアは人工歯にも使用されており、金属アレルギーを発症する可能性がありません。

      インプラント体(フィクスチャー)の種類

        インプラント体(フィクスチャー)にも種類があり、症例に合わせて使い分けることがあります。

      1. スクリュータイプ
      2. 本体表面がネジのようにらせん状になっており、インプラント体の形状として最もポピュラーな形状です。

      3. シリンダータイプ
      4. らせん状になっておらず円筒状のインプラント体です。埋入は簡単にできますが、引っかかりが無い分、初期固定の安定感はスクリュータイプより弱いといわれています。

      5. バスケットタイプ
      6. スクリュータイプと似ていますが、本体表面に複数の穴があり、骨が穴から内部まで結合して結合力が強くなります。ただし穴がある分、本体の強度は劣ります。

      7. ブレードタイプ
      8. 板状で幅が狭い作りのため、骨幅の狭い部分でも使うことができます。ただし破損しやすく骨吸収が起きやすいことから、最近ではあまり使用されなくなっています。

      上部構造の種類

        歯の歯茎から出ている部分(歯冠)は、さまざまな素材で修復することが可能です。素材によって強度や審美的回復力が異なりますので、メリット・デメリットを加味して選択する必要があります。

      1. 金属
      2. よくある「銀歯」の状態で修復します。強度はありますが、見た目が目立つため、奥歯に適応されることが多いです。また、金属アレルギーの方は要注意です。

      3. ハイブリットセラミック
      4. セラミック(陶器)とレジン(プラスチック)が混合された素材です。天然歯に近い色やツヤを再現することができますが、プラスチックも混ざっているため着色しやすくなっています。

      5. メタルボンド
      6. 外側は陶材(セラミックやポーセレン)を使用し、内側が金属になっている修復物です。見た目は天然歯に近く、内部が金属のため強度もあります。金属アレルギーの方は要注意です。

      7. オールセラミック
      8. 全てがセラミック(陶器)でできた修復物です。より天然歯に近い修復ができますが、割れたり欠けたりしやすい欠点もあります。

      9. ジルコニア
      10. 審美性に優れた素材であり、天然歯に近い歯の色を出せるといわれています。柔軟性があり、対合する歯がダメージを受けることが軽減されます。

      まとめ

      インプラントは、成功すれば平均10年以上の寿命があるとされる丈夫な装置です。しかしまったく不具合が無いという訳ではなく、定期的なメンテナンスを受け、不具合を早期に発見して対処していくことが長期的な寿命につながります。
      例えば引っ越しなどによる転院や、旅先での急なアクシデントなどあるかもしれません。万が一に備え、インプラントのメーカーや種類などを確認しておくことをお勧めします。