インプラント治療とはどのようなもの?

何らかの事情によって永久歯を失ってしまった場合に、人工的な修復物で歯を補う方法のひとつです。従来、入れ歯やブリッジが一般的でしたが、天然歯と同じような審美性や噛み心地など機能の回復力が望めるため、おすすめの修復方法です。
とはいえ、どんな治療か解らないため、不安に思う方もいらっしゃるでしょう。
今回は、インプラント治療とはどのようなものか詳しくご紹介したいと思います。

インプラント治療とはどんな治療なのか

インプラント治療とは

インプラント治療は、虫歯の治療のようにいきなり削るというような始まり方ではありません。治療を開始する前から治療後まで、しっかりとしたプランを組みます。
まずはインプラント治療がどのような治療で、どのように進めていくのか、治療の流れをご紹介します。

治療の流れ

  1. 精査・診断
  2. まず、歯肉や顎の骨の状態を確認します。インプラントは顎骨内に人工歯根を埋入しますので、歯茎が健康であることと、顎の骨の密度や厚みがしっかり残っている場合でないと施術できません。
    特に歯周病で歯を失っている場合は、歯周病の治療をおこなってからインプラント治療をおこないます。
    また、顎の骨が薄い場合は、別の場所から骨の移植や人工骨を移植することもあります。

  3. 人工歯根埋入手術
  4. 歯が抜けてしまった部分の歯茎を切開し、その下の顎の骨に穴を開けます。そこに人工歯根を埋入し、顎の骨や周辺組織と人工歯根のインプラント体(フィクスチャー)が結合するまで数カ月期間を設けます。

  5. 人工歯(上部構造)を被せる
  6. インプラント体を埋入したあと歯ぐきを閉じる方法と、インプラント体に人工歯との接続部(アバットメント)を装着して、歯ぐきの上部に出したままにする方法があります。
    いずれにしても、インプラント体がしっかり安定してから人工歯を被せます。

  7. 定期的なメンテナンス
  8. インプラント治療後は、インプラントに不具合が起こっていないか、定期的に歯科医院でメンテナンスをおこないます。
    インプラントは人工物で虫歯にはなりませんが、天然歯の時と同様に歯周病には罹患します。これを「インプラント周囲炎」といいます。
    インプラント周囲炎に罹ると、インプラントの寿命を縮めてしまうことになりかねないため、メンテナンスはとても重要です。

他の修復方法と違う「インプラント」のメリット、デメリットとは

インプラントのメリット、デメリット

従来は歯を喪失した部分には入れ歯かブリッジなどを入れることが一般的でした。この20年ほどでインプラント治療の施術は急激に増加。それには「第2の歯」と呼ばれるほど、天然歯に近い修復物だというメリットがあるからです。
しかし、そんな画期的な修復方法とされるインプラントにもデメリットはあり、修復方法として選択する際にはデメリットも加味しなければなりません。
インプラントのメリット、デメリットをきちんと把握した上で、治療を受けることをお薦めします。

メリット

  1. 入れ歯やブリッジに無い「噛み心地」がある
  2. 入れ歯は抜けた部分の両側の歯に金属のバネを引っ掛けて支えます。また、ブリッジは両側の歯を一層削り、3連結に作製した人工歯を被せます。どちらも人工歯は歯茎の上に乗っているだけになり、噛んだ時の圧力は両隣の歯に分散されてかかります。
    「噛む」という機能は歯根を通して顎の骨に伝わることで伝達され、噛み心地を得ることで食事を美味しいと感じます。インプラントは人工歯根を埋入することで、この機能を再生することができるのです。

  3. 他の歯への負担が少ない
  4. 先ほどご紹介したように、入れ歯やブリッジの場合、噛んだ時の圧力は他の歯へ負担が増えてしまいます。また、金属のバネを掛ける部分や装置を入れるために、健康な歯質を削ることになり、健康な歯へのダメージを与えることになってしまいます。
    インプラントは人工歯根で咬合圧もしっかり受けることができますし、単独で修復しますので、他の歯へダメージを与えることはありません。

  5. 審美性の回復
  6. 入れ歯のバネやブリッジの連結冠は金属が使われることが多く、口を開けた際にどうしてもチラッと見えることもあり、目立ってしまいます。
    インプラントは埋入した人工歯根に人工歯を被せて修復します。1歯そのまま修復することにより、バネも金属も使いませんし、素材は歯に似ている素材(ポーセレン等)を使用しており、見た目に人工歯だと解りにくい審美的回復力があります。

  7. いつまでも若々しくいられる
  8. インプラントは上記のようなメリットによって、入れ歯やブリッジに比べても口周辺の筋機能の衰えや歯ぐきが痩せるといった症状を予防してくれます。いつまでも美味しく固いものも噛める食事ができることは健康面にもプラスに働きます。何よりも、歯の見た目だけでなく、表情にも自信が持てることで、いつまでも若々しく過ごすことができますよ。

デメリット

  1. 保険適応外の自費治療
  2. インプラント治療は健康保険の適応外となり、治療費は全額負担です。1本修復するのに数十万円単位で大きな費用がかかります。

  3. 外科的手術が必要
  4. インプラントは人工歯根を顎骨内に埋め込むために外科的手術をおこないます。手術に耐え得る健康状態が必要となるため、持病をお持ちの方や妊娠中の方、長期的な投薬、恐怖心の強い方など、手術が困難と判断された場合には施術できない場合もあります。

  5. 継続的なメンテナンスが必要
  6. インプラント施術後は、インプラント周囲炎という歯周病様の症状を起こしやすいため、毎日のセルフメンテナンスは勿論、定期的に歯科医院でのメンテナンスを受けることが必要です。通院が困難になると予測される方は施術できない場合もあります。

まとめ

インプラント治療とは、喪失歯の修復方法の中でも画期的な方法です。多くの方が、選択肢として「高いから」とか「大変そうだから」というだけで排除しているのではないでしょうか?確かに入れ歯やブリッジは保険適応で安価に修復することができます。しかしさまざまな角度から将来性やメリットを加味して考えた時、インプラント治療を選択肢のひとつとして考えることができると思います。
デメリット等ご心配な点はいつでも遠慮なく歯科医師にご相談ください。患者様にとって最適な修復方法に出会えますよう、お手伝いさせて頂きます。