インプラント治療の注意点とは

インプラント治療は、虫歯や歯周病などの一般的な歯科治療と異なり、歯肉にメスを入れ、歯を支える歯槽骨に直接インプラントを埋め込む外科手術が必要になるために、治療をおこなう際には注意点を確認し、治療に備えることが重要です。そこで今回は、インプラント治療をおこなう際の注意点を詳しくご紹介してまいりたいと思います。

インプラント治療とは?

まずは、インプラント治療はどのようなことをおこなう治療法なのか、確認していきましょう。インプラント治療とは、虫歯や歯周病、事故による外傷により歯を維持できなくなった場合に、失った歯の代わりとして入れ歯やブリッジと並ぶ治療法の1つとして、1980年代より一般に普及していった治療法です。

歯を支える顎の骨である歯槽骨に、インプラントを埋め込み、まるで自身の歯が生えているかのように食事や会話を楽しむことができる機能性があるだけではなく、審美性にも優れた人工歯(補綴物)であります。

インプラント治療の特徴

最新の治療設備

長きに渡り日本では、歯を失った場合の治療法として、入れ歯やブリッジ治療を選択することが一般的でありました。入れ歯は既存の歯にクラスプ(金属のバネ)や粘膜で入れ歯を維持するために、審美性や機能性に劣り、ブリッジは健康な歯を削り土台にすることや、審美性にも劣るために課題点も多くありました。
しかし、歯科医療は日々研究や実験が繰り返しおこなわれ、近年では歯を維持できなくなった場合におこなう歯科治療法の選択肢の1つとして、インプラント治療がおこなわれるようになりました。

インプラントは、歯槽骨に埋め込むインプラント体と、人工歯冠、両者を繋げるアバットメントの3構造の精密医療機器であり、外科治療を要することからも、一般的な歯科治療に比べるとリスクを伴う治療法となります。

インプラント治療の注意点

インプラント治療をおこなう際の注意点を確認しましょう。

術前

インプラント治療ができない人

インプラント治療は誰でも受けられるわけではなく、たとえ歯槽骨の状態が良好でも、全身疾患である糖尿病や、妊娠中の人、ヘビースモーカーの人はインプラント治療が制限されます。

歯槽骨の質・量・高さによっては治療ができない

カウンセリング時のレントゲン撮影などで、歯槽骨の質・量・高さがインプラント治療受ける際の条件に満たない場合には、治療をおこなうことはできません。しかし、近年では骨誘導再生療法(GBR法)、ソケットリフト法、サイナスリフト法などを受けることで、インプラント治療をおこなえるケースもあります。

服用している薬の申告

インプラント治療は歯肉をメスで切開し、歯槽骨にインプラントを埋め込む外科手術をともない、薬の種類によっては手術をおこなうことができない場合もあり、必ず服用している薬の申告が必要となります。
特に、血液をサラサラにする血液凝固剤などを服用したまま手術をおこなってしまった場合には、出血が止まらないなどの状況になりかねず、各疾患の主治医との連携が必要となります。

手術当日までのコンディション管理

外科手術をともなう場合には、身体に少なからず負担がかかります。良好なコンディションでインプラント治療を受けるために、睡眠不足やストレスの少ない生活を送り、健康管理に努めましょう。

術後

麻酔が切れるまでの過ごし方

インプラント治療をおこなう際には必ず麻酔をおこないます。麻酔は一般的に術後1~2時間で効果が薄れていきます。麻酔が切れるまでの間は唇や舌、頬や粘膜などに感覚はなく、気づかないうちに唇や舌、粘膜を咬んで傷つけてしまうケースも見受けられるために、注意が必要です。

手術当日のうがいはなるべく避けましょう

手術後、2~3日までは患部からの出血をともないます。傷口のかさぶたができても、うがいをおこなうことで剥がれてしまう場合もあるために、なるべくうがいをおこなうことは避けましょう。

鼻血がでるケースも

上顎の手術をした場合、鼻血が出やすくなる場合があります。少量なら心配ありませんが、鼻血が止まらない場合には注意が必要です。

術後のお風呂

手術当日は、シャワーで頭や身体を洗う程度で済ませ、湯船に浸かることは避けましょう。身体が温まると血行がよくなり、出血を促してしまう恐れがあります。

術後の運動

手術当日から患部の状態がお落ち着く2~3日の間は運動を避けましょう。外科治療は少なからず身体に負担がかかるために、身体を休めましょう。

手術後の喫煙

インプラント治療の成功率を10%下げてしまう要因の1つと言われています。タバコに含まれるニコチンにより末梢血管を収縮させてしまう作用が働いてしまうために、血流が悪くなる理由からインプラントの成功率は下がります。インプラントを維持するためにも、禁煙が推奨されています。

手術後の飲酒

術後、患部の状態が落ち着くまでの1週間ほどは、アルコールは控えましょう。アルコールを摂取すると血流が促進され、かさぶたを形成する過程で傷口から出血してしまう場合があります。

完了後

手術後のメインテナンス

インプラントを歯槽骨に埋め込み、人工歯冠を被せることで、治療自体は完了となりますが、インプラントを末永く維持するためには、定期的にインプラントとお口の中の検診及び、必要に応じてクリーニングをおこなう必要性があります。

インプラント周囲炎

日々の歯磨きや口腔ケアを怠る、または適切におこなわれていない場合には、歯肉が炎症を起しインプラント周囲炎になりかねません。インプラント周囲炎とは、インプラント周辺歯肉の歯周炎であり、炎症状態を放置したままでいると、インプラントを維持できなくなり、抜け落ちてしまう恐れもあります。インプラントを維持するためにも、定期的なメインテナンスとクリーニングをうけましょう。

まとめ

以上、今回はインプラント治療をおこなう際の注意点をご紹介してまいりました。インプラントは入れ歯やブリッジと比べても、画期的な治療法ではありますが、どのような歯科治療であってもリスクをともなうために、注意点を把握・確認する必要があります。インプラント治療を成功させるためにも、正しい知識を備え、治療を受けましょう。