インプラント治療後は天然歯の時のような見た目と、噛み心地などの機能面を取り戻すことができます。しかし、長く使っている中では、予期せぬ症状に悩まされているという方もいらっしゃるでしょう。今回、インプラント治療後に起こる「副作用」はあるのか、症状ごとに検証してみたいと思います。

インプラントに「副作用」はあるのか


そもそも「副作用」とは、効果を期待しておこなわれた医療行為の後、その効果以外に現れた作用のことをいいます。一般的に有害な面を表すことが多いのですが、インプラントをおこなったことでの副作用とはどんなものがあるのか考えてみましょう。

インプラントで期待される効果とは

インプラントは喪失した歯の修復方法です。他のブリッジや部分入れ歯と決定的に違うのは、失った歯の根っこ部分も修復すること。元々歯があった場所の顎の骨に穴を開け、人工歯根(フィクスチャー)を土台として埋入し、その上に人工歯を装着します。見た目も単体の歯と変わらないため人工的な修復物の違和感もないため美しく仕上がり、噛むときの圧力を人工歯根を通じて顎の骨や周辺組織に伝達できるため、しっかり噛めて美味しい食事をすることができます。

インプラント治療後の副作用と思われる症状


インプラントで期待される効果以外に起こることのある「副作用」をご紹介します。全ての方に起こるわけでは無く、起こるにはそれなりの原因がある場合がほとんどです。

細菌感染を起こすことがある(インプラント周囲炎)

インプラントは身体に埋め込まれる金属の中で、唯一体内と体外にまたがって埋入されている人工物です。メンテナンスが行き届かないと歯ぐきが細菌感染して炎症を起こし、歯周病と同様の症状を起こします。そして埋入している付近の骨や組織を破壊します。それが原因でインプラントを支えることができなくなり、インプラントが脱落してしまうこともあるのです。

予後不良を起こすことがある

インプラント体を骨に埋入した後、顎の骨や周辺組織と結合し安定する期間を数カ月設けます。しかし中には、何らかの要因によって、いつまでもグラグラと土台が安定しない場合があります。先ほどご紹介した、メンテナンス不足が招く場合もありますが、施術時に何らかの異常があることに気づかないままインプラントの埋入を終えた場合にも予後不良は起こります。

予後不良を起こすことがある

インプラントの素材はほとんどが「チタン」を用いています。医療用の体内に埋め込む金属としても使われており、通常はアレルギーを起こすことは無いとされる素材です。
しかし、金やチタンでも合金を使用している場合には、その成分でアレルギーを起こした事例もあり、全世界で数例とごくまれですが、金属アレルギーを起こす可能性もあります。

インプラントが埋入後に予後不良を起こす原因とは


インプラント体を埋入した後は数カ月の期間を経て、顎の骨や周辺組織としっかり結びついて安定します。しかしなかなか安定しない場合や、腫れや痛みを伴う症状が長引く場合には、インプラントに何らかの不具合が起こっています。インプラントを埋入する際に何らかのトラブルを起こしていることに気づかず、そのまま施術を進めてしまった場合に起こる可能性のある症状をご紹介します。

切削時の施術者ミス

歯科医師が未熟な技術で切削を行った場合、切削器具の挿入角度を誤って神経などの組織を傷つけたり火傷させたりしたまま気づかずにインプラントを埋入し、痛みや腫れの症状が治まらずに悪化したり、しびれが生じてしまうことがあります。

インプラント挿入時のミス

こちらも歯科医師の技術不足により、事前の精密検査で確実な埋入角度や深さが測定できていない場合や、実際にインプラントを挿入する際に角度や深さのミスで骨や神経に当たってしまっている場合なども、痛みや腫れ、しびれが治まらない原因になってしまいます。また、インプラント体が骨や組織と結合できずに脱落してしまうこともあります。

インプラントには良い意味での「副作用」も!


「副作用」という言葉には一般的に有害な作用を指すことが多い言い回しですが、本来の意味は主な作用とは別の作用を指す用語であるため、良い意味での「副作用」もあるわけです。そこで、インプラントをおこなったことで生まれた良い効果もご紹介したいと思います。

他の歯に負担がかからない

喪失した歯を修復する他の方法(ブリッジや入れ歯)は修復の際に周辺の残存する健康な歯を少し削って橋渡ししたり金属のバネをかけて固定点を必要とします。しかしインプラントは喪失した歯を根っこ部分から修復するため、周辺に残っている健康な歯を削ることなく単体で修復することができます。固定のために歯質を削ったり、噛む圧力の負担などが軽減されることで、他の歯の寿命を守ることにもつながります。

しっかり噛めることで食事を美味しく感じる

人間が味覚を感じるためには、歯の根っこを通じて顎の骨に噛み心地が伝わることも必要です。ブリッジや入れ歯は歯茎の上部に人工物が固定されているだけなのであまり強く噛めませんし、噛んだ時の硬さや温冷感を感じることがありません。インプラントは人工歯でも天然歯と同じようにしっかりと噛みしめることができ、硬いものもしっかり噛めて感触もあるので食事を美味しく感じることができます。

いつまでも若々しい口元になる

インプラントは人工歯根が土台となることで、人工歯(上部構造)との境界線も違和感なく仕上げることができます。修復物の中でも非常に天然歯に近い見た目を回復することができます。また、よく噛めることで口輪筋など顔や口元周辺の筋肉をよく動かすことができ、たるみやシワがなくなり若々しい口元になったと感じる方もいらっしゃいます。

健康的になる

歯を失ったことで見た目のコンプレックスや食事のしにくさなどからマイナスな思考能力になっていた人も前向きになったという方もたくさんいらっしゃいます。また、よく噛めるようになったことで、消化も良くなりますし体への負担も軽くなり、健康的になったと感じる方もいらっしゃいます。

まとめ


インプラントはプラスの副作用もたくさんあり、治療後に健康的で若々しく生活されている方や、これまでの不具合が感じられなくなったことでストレスから解放されたという方もいらっしゃいます。しかし人工物であることや外科的手術が必要になることから、副作用として不具合を感じてしまう例もゼロではありません。もしも不具合でお困りの方は、まずかかりつけ歯科医院に相談しましょう。他の医院をご希望の場合はリカバリー(再治療)を行なっている歯科医院もありますので、相談してみてはいかがでしょうか。