インプラント治療を受けられた方は、術後当日や翌日どのように過ごすのか不安を感じることと思います。歯科医院からインプラント治療当日や翌日以降の過ごし方や注意点などは説明があると思いますが、「手術の不安から忘れてしまった」という方はぜひ参考にご覧ください。

インプラント手術後の状況

インプラント手術をおこなう日は、インプラント治療期間の中で一番身体に負担がかかる日です。

◯インプラント手術による身体の負担

インプラント手術は歯茎を切開し、その下にある顎の骨にインプラントを埋入するための穴を開けます。外科手術ですので麻酔下でおこない痛みはありませんが、身体的な負担はどうしてもかかってしまいます。

◯出血や痛みを伴います

歯茎を切開したり、骨を削ることで負担がかかりますので、出血が起こり、傷口が塞がるための生理的な炎症を起こして痛みが発生することは誰にでも起こる出血と痛みです。これらは約1週間程度かけて徐々に治まっていきます。

◯食事について

食事は術後当日から可能ですが、当日は噛むと痛みが生じると思いますので、できるだけ柔らかいものを食べたり、刺激の強い食べ物は控えておきましょう。もしも噛むときに痛む場合は、痛みが治まるまでの間は反対側で噛むなど負担を減らしましょう。

インプラント手術当日の過ごし方

インプラント手術は麻酔をして歯茎を切開し、顎の骨にインプラントを埋入するための穴を開けます。出血を伴う外科手術ですので、術後の過ごし方や注意点を守っていただきたいことがいくつかあります。

◯できるだけ安静に過ごしましょう

インプラント手術は入院は必要ありませんが、出血も伴っているため、術後は自宅でできるだけ安静に過ごしましょう。運動は血行が促進されてしまい出血を促してしまうので、スポーツなどの予定がある日は施術日から外してください。

◯傷口を触らないようにしましょう

インプラント埋入のために切開したりしています。傷口を舌や指先で触ると、治ろうとしてできる組織を剥がしてしまい傷の治りを遅らせてしまったり、出血が止まりにくくなる原因にもなってしまうので控えましょう。食事も堅いものは控え、噛みにくいものは反対側で噛むなど、無理に使わないようにしましょう。

◯お風呂に入らないようにしましょう

湯船に長い時間浸かると身体の血行が良くなり、傷口からの出血を促してしまう恐れがあります。湯船につかることは避け、できれば短時間のシャワーや冬であれば身体を拭く程度にしておきましょう。

◯我慢できない痛みの場合には痛み止めを

当日は麻酔が切れるとズキンズキンと拍動痛(はくどうつう)を起こすことがあります。我慢できない時には痛み止めを飲んで対処しましょう。また、抗生物質が投与されていることも多いので、投薬については決められた用法・用量で飲むようにしてください。

インプラント手術翌日以降の過ごし方

インプラント手術後は、通常どおりの生活が可能ですが、傷口に関しては翌日以降もしばらく注意が必要なことがあります。傷口が順調に回復するためにも、以下のようなことに注意しながら生活するようにしましょう。

◯継続した痛みや出血について

出血は翌日以降は気にならなくなることがほとんどですが、傷口に食べ物が当たったりうがいをした拍子に少し出血するといった程度は起こることがあります。また、痛みに関しても個人差がありますが2,3日は痛むことがあります。徐々に痛みが薄れ、約1週間後くらいには治まります。痛みが我慢できない時は、引き続き痛み止めで対処しましょう。

◯薬は決められた通りに飲む

傷口から細菌感染を起こさないよう、抗生物質が処方された場合には、自己判断で中断せずに飲み切りましょう。炎症が悪化すればインプラントが安定するのを妨げてしまいます。

◯傷口を不必要に触らない

傷口が塞がるまで不必要に舌や指先で触らないようにしましょう。傷口の回復を遅らせるだけでなく、雑菌が侵入して炎症が悪化したり、インプラントが細菌感染を起こす要因となってしまいます。インプラントが細菌感染を起こしてしまうと、顎の骨とインプラント体がなかなか結合できず、インプラントの失敗を招く要因になってしまう恐れもあります。

◯歯磨きは傷口は避けて磨く

歯磨きする際にしばらくは直接当てないようにしましょう。せめてうがいだけでもと激しくうがいをするのもNG。傷口を治すためにできた血餅(けっぺい)を剥がしてしまい、再度出血や傷の治りを遅らせる原因になってしまいます。周辺の歯は磨かないと歯周病の原因になりますので、お口の中は常に清潔にしておきましょう。

◯もしも腫れたらしばらく運動を控えて安静に

インプラント手術翌日以降も腫れが続くのはよくあります。これは傷口が治るために起こる一時的な腫れであることがほとんどで、腫れの程度は個人差があります。腫れている間はできるだけ激しい運動は控え、安静に過ごしましょう。

もしも腫れや痛みが長く続く場合には…

術後の腫れや痛みが1週間経っても治まってこない、もしくは以前よりもひどくなった場合には、何らかの不具合が起こっている可能性があります。

◯顎の骨や周辺組織の不具合

インプラント手術はとても高度な技術を要する治療です。万が一手術の際に、切削機械による損傷や火傷を起こしてしまっていることに歯科医師が気づかないまま埋入してしまった場合、内部で組織が炎症を起こし、痛みや腫れが継続して治まらない原因になっている場合が稀にあります。

◯内部で細菌感染が起こってしまった

インプラント埋入時には、施術部が細菌感染を起こさないための十分な配慮をおこないます。こちらも稀ですが、もしも感染対策が不十分だった場合、内部に細菌が侵入し、埋入手術後に中で炎症が悪化してしまっていることが痛みや腫れの原因になっている場合があります。

◯喫煙や飲酒などをおこなっていた

インプラント治療後の注意点として、喫煙や飲酒を控えることがあります。傷口の早期回復や、内部の骨や組織がインプラントと結合するのを妨げないようにするためです。もしも喫煙や飲酒を継続していた場合には、腫れや痛みが治まらない原因になっているかもしれません。ここで守らなかったためにインプラントが安定しない結果を招いては本末転倒です。治療が終わり、歯科医師からOKが出るまではみなさんのご協力が必要です。

まとめ

インプラントは外科手術ですので、術後はどうしても出血や痛み、腫れなどを伴います。しかしこれらは心配するようなことは無く、徐々に治まるものです。とはいえ、皆さまが歯科医院からのお願いを守られていない場合や、不具合が生じている場合には、症状が長引いたり悪化したりすることもありますので、ご心配な点や不安なことは、治療を受けた歯科医院に遠慮なくご相談ください。