使っているインプラントが抜けてしまったらどうしたらよいでしょうか?
応急処置方法や修理はどの歯科医院にいくべきなのか、追加費用はどうなるのかなど、さまざまな不安要素があると思います。そこで、インプラントが抜けてしまったとき、どのような対処をおこなうことがベストなのかご紹介します。

インプラントが抜けたら、まずどう対処する?

不意にインプラントが抜けてしまったときに取る行動が、その後インプラントを再度治療する際の経過や予後を左右することにもつながります。どのような対処をおこなっておくのがベストなのか、参考にしてみてください。

◯抜けた装置を適切に「保存」する

インプラントは、抜け方や装置の部位によっては、そのまま利用して治療することができる場合があります。紛失や変形を防止するため、丈夫なプラスチックケースやタッパー、ジッパー付きビニール袋などに保存するのがおすすめです。ティッシュに包むと開いた際に落ちて紛失したり、ゴミと間違えて捨てられてしまったなどのトラブルにつながります。

◯抜けた部分を触らない

装置が抜けたお口の中は、装置の部品が一部突出してしまったり、歯ぐきや顎の骨が露出しているケースもあります。不必要に手や舌先で触ってしまうと、細菌感染を起こす可能性もあるので、できるだけ触らないことを心掛けましょう。

◯治療を受けた歯科医院に連絡

抜けて支障がないと感じた方でも、まずはすぐに治療を受けた歯科医院に連絡し、状況に応じて対応策などをアドバイスしてもらいましょう。早めに来院を促された場合には、できるだけ早く受診して診てもらいましょう。

◯治療を受けた歯科医院で受診しない場合

できれば治療を受けた歯科医院に罹るのがベストですが、何らかの要因で治療した歯科医院でない医院で診てもらう場合には、インプラントに対して的確に対処できる歯科医院を選びましょう。中には、診療内容の中に「インプラント」と標榜していても、自院で施術していないインプラントの修理や再治療を受け付けていない歯科医院もありますので、事前確認が必要です。

どんな抜け方をしたかによって異なる対処法

インプラントがどのような状況で抜けたかによって、治療や対処法が異なります。インプラントは、顎の骨に埋入されている土台部分(フィクスチャー)と、歯の代わりとなる人工歯(上部構造)、これら2つを連結するための装置(アバットメント)で構成されています。どこが抜けたのかによって、それそれの対処法をご紹介します。

◯人工歯のみが抜けた場合

人工歯が抜け、歯ぐきに装置がある場合には、再装着だけで済む場合もあります。人工歯を紛失したり一部破損させてしまったりした状態で持参すると、作り変えが必要になることがあります。
また、長い期間取れたままになっているとインプラントの連結装置が突出しているため、噛んだときに対合する歯が当たって欠けてしまうなどトラブルになる可能性もあります。抜けたらすぐ歯科医院に連絡し、装置を持参してできるだけ早めに受診しましょう。

◯連接装置も一緒に抜けた場合

インプラントは、人工歯と土台を連結するための小さな装置が入っています。連結装置も人工歯と一緒に抜けてしまっている場合も再装着できる可能性があるので、適切に保管した状態で持参しましょう。
また、連結装置が外れている場合は、インプラントの土台が露出してしまっているので、その時間が長いと土台が細菌感染を起こすことがあります。できるだけ早めの受診をおすすめします。

◯土台からすべて抜けてしまった場合

インプラントが、埋入されている土台のインプラント体も含め、根元から抜けてしまっている場合は、顎の骨と歯茎がむき出しになってしまうので早急に治療が必要です。穴が開いたままでは細菌感染を起こす可能性もありますし、変形などを起こせば再度埋入できなくなる可能性もあります。

インプラントの再治療にかかる費用はどうなる?

インプラントは保険適応外の自費治療です。ですから治療費は歯科医院によって異なります。また、治療費に含まれる内容も違うため、修理にかかる費用はどうなるのかや、保証内容も確認が必要です。

◯まずは治療を受けた歯科医院で相談を

抜けたインプラントの治療を受けた歯科医院で再治療費を確認してください。治療にかかった費用の中に、再治療費も含まれている場合には、追加費用はかからず修理できます。
ただし、抜けた原因がメンテナンスを怠ったことなど、対象外となる事案などもあるため、まずは治療を受けた歯科医院で相談されるのをおすすめします。

◯他院で修理してもらう場合

何らかの要因で治療を受けた歯科医院に罹れない場合は、治療していないインプラントの修理も受け付けてもらえるかどうか事前確認が必要です。インプラントはメーカーによって部品や使用器具が異なるため、どのインプラントでも対応可能ではないためです。
また、治療費は罹る歯科医院が定める治療費がかかる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。

なぜインプラントがぬけてしまうの?

インプラントが抜けるのにはいくつか原因が考えられます。また抜けた原因によっては複雑な再治療が必要になったり、保証対象外となることもありますので注意が必要です。

◯メンテナンス不足によるもの

インプラントは、メンテナンスを怠るとさまざまな不具合の要因になります。たとえば、歯磨きを怠り口腔内が不衛生な場合、インプラント周囲炎を起こして歯茎が炎症します。顎の骨が溶けインプラントを支えられなくなり、最悪の場合インプラントが抜けてしまいます。また、インプラント体と人工歯をつなぐための連結装置のネジが緩んでいても気づかず、ぐらついたまま噛んで破損したり、脱落したりする原因にもなります。

◯喫煙

喫煙している方は血行障害を起こしやすく、インプラントと骨の結合を阻害するため、治療期間は禁煙をお願いしております。治療後再度喫煙習慣が戻り、もしもインプラント周囲炎を起こした場合、血行不良がインプラント周囲炎の進行を促してしまうこともあります。

◯治療時のダメージによるもの

インプラント埋入時に組織の損傷や細菌感染に気付かず進めていた場合、治療後もなかなかインプラントが安定せず、抜け落ちてしまうトラブルを起こすことが稀にあります。もしも治療後の腫れや痛みが長期間継続して治まらないなど不具合を感じた場合には早めに歯科医院に連絡しましょう。

まとめ

インプラントは正しく使用していれば抜けるような装置ではありません。まずはメンテナンスをしっかり継続することが大切です。もしも抜けてしまった場合にも、抜けた装置の状態に合わせた対処法をとることで、治療法や費用の負担も軽くすることにつながります。
まずは歯科医院に連絡して適切な対処法を聞き、できるだけ早く診察を受けましょう。