第2の永久歯と呼ばれるインプラントは、失った歯の機能を補うために顎の骨である歯槽骨に埋め込む人工歯根であります。しかし、インプラント手術を受ける場合には、利点だけではなく、欠点も把握しなければなりません。そこで今回は、インプラントの欠点について、詳しくご紹介して参りましょう。

インプラントの利点は?

はじめに、インプラントの利点を確認しましょう。インプラントは入れ歯やブリッジと同様に虫歯や歯周病、不慮の事故などで歯を失った場合に適応される治療法の1つです。

着脱する必要がない

歯を失った際の治療法として広く知られる入れ歯は、着脱式の人工臓器でありますが、インプラントは顎の骨に直接、人工歯根であるインプラントを埋め込むため、着脱する必要はありません。

また、義歯は毎回の歯磨きの際に外し、流水下で入れ歯専用の歯ブラシで清掃する必要があります。さらに1日に1回は細菌を除菌するために薬剤に漬け置きし、乾燥を避けるために入れ歯を外している間は、水に浸して保管する必要があります。このように入れ歯を管理する場合には、日々患者さまに大きな負担が掛かります。

健康な歯を削る必要がない

歯を失った際の治療法として知られるブリッジは、失った歯の両隣の歯を削り、橋を架ける様にして人工歯を口の中で維持させるため、健康な歯を削る欠点があります。

しかし、インプラントは専用のドリルで歯槽骨に穴を開け、人工骨と結合する特性を持つインプラントと歯槽骨を結合させて口の中で維持させるため、健康な歯を削る必要はありません。

咀嚼力に優れている

インプラントは天然歯の次に咀嚼力に優れている人工臓器であり、入れ歯では30%あまりの咀嚼力しか発揮できないと言われていますが、インプラントでは、およそ90%~80%の力が発揮できると言われています。

入れ歯では食べづらい食べ物であっても、インプラントでは美味しく食べられるようになります。

審美性に優れている

部分入れ歯の場合、残存する歯にクラスプと呼ばれる金属の引っ掛けを掛け、お口の中で維持させますが、部位によっては口元から金属のクラスプが見えてしまうため、審美性に欠けてしまいます。一方、インプラントは歯槽骨に直接埋め込むため、天然歯のような審美性を保つことが可能です。

また、インプラント上部構造である人工歯は、基本的に健康保険外となるセラミックやジルコニアの補綴物を装着するため、色素沈着しにくく、天然歯に近い透明感がある歯を手に入れることが可能です。

歯槽骨の吸収を抑制する

顎の骨である歯槽骨は、歯を失うことで歯根から伝わる刺激を失い、歯槽骨が吸収されてしまいます。歯槽骨が吸収されてしまうと、頬がこけて見えたり、しばらくの期間、歯が抜けたまま放置してしまうと歯槽骨が痩せてしまい、インプラントを埋入することが困難となったりするケースがあります。

歯槽骨が痩せてしまい、インプラント治療に適応されないと判断された場合であっても、骨造成法を行なった上で、インプラント治療が可能となる場合もあります。

インプラントの欠点は?

次に、インプラントの欠点をご紹介しましょう。どんな治療法であっても、リスクや欠点が少なからず伴うため、しっかりと把握しましょう。

健康保険適応外

本来、疾患の治療の際には健康保険が適応され、治療費の数割を支払うことで治療を受けることが可能となります。しかし、インプラント治療は保険適応外であるため、全額自己負担となり、患者さまの金銭的負担も大きくなります。

外科手術が必要となる

インプラントは、歯肉をメスで切開し専用のドリルで歯槽骨に穴を開ける外科手術が必要となるために、少なからずリスクを伴います。また、外科手術への恐怖心からインプラント治療を受けることを躊躇する人もおられます。

インプラント施術を受けられない場合もある

インプラントは外科手術が必要となるため、持病や飲んでいる薬によっては、手術を受けられないケースがあります。以下が、インプラント手術が困難とされる疾病です。

・心臓病
・血液疾患
・動脈硬化
・高血圧
・腎臓病
・肝臓病
・糖尿病
・膠原病
・骨粗しょう症

また、以下のケースでもインプラント手術が困難とされています。
・16歳以下
・妊娠中

治療期間が長い

ブリッジや入れ歯の治療期間は数週間程度でありますが、インプラントは歯槽骨と結合する期間を設けなくてはならないため、通常4ヶ月から~6ヶ月ほどの治療期間が必要となります。短時間で治療を行ないたい患者さまには不向きな治療法となります。

術後の痛み、腫れ、出血、合併症

インプラントの術後は、患部の腫れや痛みが生じる場合があります。この腫れは術後に起こり得る症状であり、個人差はありますが、痛みや腫れのピークは2~3日程度で治まって行きます。場合によっては痛み止めを処方いたします。

また、合併症の恐れもあるため、リスクを伴います。

自身の歯と違和感

天然歯の歯根を覆うように存在する歯根膜には、歯槽膜が受ける歯から伝わる衝撃を和らげる役割があります。

インプラントは、入れ歯やブリッジよりも咀嚼力にすぐれていますが、インプラントにはクッションの役割がある歯根膜が存在しないため、咬んだ時の衝撃が直接歯槽骨に伝わるため、違和感が生じる場合もあります。

定期的なメインテナンスが必要

インプラントの天敵は歯周病です。歯周病に罹患してしまった場合、インプラントと結合している歯槽骨が歯周病菌に吸収されかねません。万が一、歯周病に罹患し歯槽骨が吸収されてしまった場合には、インプラントをお口の中で維持することは困難となり、抜け落ちてしまいます。

まとめ

今回は、インプラントの欠点についてご紹介してまいりました。第2の永久歯と呼ばれるインプラントではありますが、外科手術を伴うために欠点やリスクがあります。インプラント治療を成功させるためには、利点だけではなく、欠点も理解し治療を受ける必要があります。インプラント治療でご不明な点などございました際には、お気軽にご相談ください。