インプラント術後にはいくつかの注意事項があります。その中には、飲酒に関することも含まれており、インプラント術後は飲酒を控えるよう指導を受けます。ではなぜインプラント術後は飲酒を控えなければいけないのでしょうか。今回はインプラント治療後の飲酒の影響のお話を中心に、術後の注意点についてもお話をしたいと思います。

インプラントとその他外科処置を伴う治療とは


インプラントは、外科手術によって顎の骨にインプラント体を埋入し、人工羽根として再び噛む機能を取り戻す治療です。通常の虫歯治療や歯周病治療と異なり、インプラント治療は外科手術によって歯ぐきを切開するため、当然歯ぐきからの出血を伴います。
また二回法では、一次手術の際に閉じた歯肉を再び切開するため、二次手術でも多少の出血を伴います。

加えてインプラントには一回法、二回法といった標準的な術式の他、歯ぐきを切開せずにインプラント体を埋め込む「フラップレス手術」、4本または6本のインプラント体で人工歯を支えるオールオン4(またはオールオン6)といった術式があり、いずれも少なからず歯ぐきからの出血を伴います。

インプラント以外で出血を伴う外科治療は、抜歯です。抜歯はひどい虫歯や歯周病で歯を残すことが不可能と判断された場合や親知らずの抜歯、歯列矯正で永久歯が並ぶスペースを作るための小臼歯の抜歯、そしてアクシデントなどで歯をぶつけて歯の大部分が折れた場合、または根の先までヒビが入ってしまった場合などが抜歯となります。
歯周病治療で行われるF-op(フラップオペレーション)という、歯ぐきを切開して内部に付着した歯石を取り除く処置でも出血が起こります。

このように、歯科治療ではインプラントのみならず、色々なケースで外科処置が行われ、それに付随するように出血が起こり、傷が生じます。

インプラント術後に飲酒を控えなければいけない理由について


インプラント術後には色々注意すべき事柄があります。その中でも、飲酒は必ず控えるようにしなければいけません。と言うのも、アルコールは血行を良くするため、止血に影響が出てしまうからです。インプラント手術後は、顎の骨とインプラント体の結合だけでなく、歯ぐきの回復も待つ必要があります。歯ぐきの傷が盛り上がって回復するには、およそ1週間から10日ほどかかります。そのうち、インプラント手術当日から3日ほどは歯ぐきを切開した傷口が出血しやすい状態です。ここでビールやお酒などアルコールを飲むと、血行が良くなって血が止まりにくくなり、歯ぐきの回復が遅れます。アルコールには血行を良くする作用があるため、インプラント手術で生じた傷口の回復のためには避けなければいけません。
特に手術当日は歯ぐきを切開したため、まずは歯ぐきの回復に努めなければいけません。インプラントという大きな処置を無事に終え、その安堵感からホッとしてお酒やビールを飲みたくなるかもしれませんが、歯ぐきの回復のためにも当日はもちろん、術後2~3日はアルコールを摂取しないよう気を付けましょう。

その他インプラント以外でも治療当日は飲酒を避けなければならない処置があります。その代表的な処置が、抜歯です。抜歯はひどい虫歯や歯周病、親知らずなどで歯を残すことができない場合に行われます。抜歯に伴う出血量は個人差がありますが、どちらにしても止血に影響が出てしまうため、処置した日はアルコールを摂取しないようにしましょう。

インプラント手術後の注意点について


インプラント術後に注意すべき点は、飲酒だけではありません。他にどのようなことに気を付けなければいけないのかについてご紹介しましょう。

食事に注意する

まずは術後の食事について注意しなければいけません。手術した部位になるべく負担がかからないよう、インプラント手術後2~3日は柔らかいものを中心に召し上がって下さい。特にオールオン4など、全顎にわたるインプラント手術後は仮歯の状態で過ごしていただくことになります。そのためおかゆ、おじや、ヨーグルト、ゼリーなどあまり噛まなくてもよい内容のものがお勧めです。
また香辛料がたくさん使われた刺激が強いもの、熱いものなども、アルコール同様術後数日は控えて下さい。

喫煙

喫煙習慣のある方も、インプラント術後は禁煙に努めて下さい。タバコに含まれる成分が血管を収縮させ、傷口の治りを遅くしてしまいます。またインプラント治療後は歯周病やインプラント周囲炎の早期発見に影響してしまいます。タバコを吸っていると、歯周病のサインである歯ぐきの腫れや出血といった症状が起こりにくく、発見を遅らせてしまいます。インプラント周囲炎は歯周病に似ているため、発見が遅れてしまうことがあります。インプラント手術前後は禁煙が必要ですが、お口の健康のためにも禁煙生活を送られることをお勧めします。

激しい運動や熱いお風呂、サウナなど

激しい運動、熱いお風呂、サウナなどは飲酒同様、体の血行を良くします。そのためインプラント手術の傷口から出血することがあります。インプラント手術後数日は、シャワーで済ませるようにして下さい。

ブラッシング

お口の中の健康のためにも丁寧なブラッシングは欠かせません。インプラント手術を行った部位は感染の危険性があるため、より丁寧なブラッシングが必要です。ただ傷口が回復していない間はブラッシングに注意が必要です。傷口にできるだけ触らないよう、気を付けてブラッシングして下さい。うがい薬を処方された場合、毎回のブラッシングと併せて使用すると良いでしょう。

インプラント術後の過ごし方に気を付けましょう


インプラント術後の飲酒は控えなければいけない理由を中心にお話を進めてまいりました。アルコールは全身の血行を促進し、傷口からの出血が止まらない可能性があります。そのため術後数日はアルコールを控えて下さい。同様に、術後の過ごし方にもいくつかの注意点があります。傷口の治りが悪いと、先の治療にも影響が出てしまうことがあります。インプラント治療をスムーズに進めるためにも、術後の過ごした方に注意が必要です。