治療期間を縮められる即時荷重って?

通常のインプラント治療は、診査・診断に始まり、人工歯が装着されるまでにかなりの期間を要します。即時荷重とは、歯科インプラントの新しい画期的な治療法であり、インプラント体を埋入して48時間以内には人工歯をインプラント上に装着する方法で、見た目にも違和感なく生活することが可能な装置です。今回は、即時荷重インプラントについて詳しくご紹介したいと思います。

従来のインプラントと即時荷重インプラントの違い

従来のインプラントは、まず埋入部の骨量は十分であるかといったような診査に始まり、人工骨の移植や定着期間を含め、インプラント体埋入後も安定するまで3~6か月程の期間を要します。その間はインプラント体の上に部分入れ歯で対応したり、人工歯根部のみで、人工歯を被せるまでトータルで約10か月程かかるケースが多く、完了まではどうしても不自由な期間がありました。
しかし医療機器の発達により、精密なデータ分析が可能になったことにより、1日でインプラント体と歯(仮歯)が入り、見た目にも治療中と気づかれにくく食事も可能である「即時荷重」という方法が開発されたのです。

即時荷重インプラント法

即時荷重インプラントは、インプラント体(人工歯根)を埋入したあと48時間以内に、インプラント体と人工歯をつなぐ接続部(アバットメント)と仮歯を装着する方法です。その状態でインプラント体が周辺組織や顎の骨と結合する期間を過ごすことができるので、審美的な問題や、発音などの機能的な問題もクリアできます。あくまでもインプラントの安定を待っている期間なので、固いものを噛んだりすることは控えなければなりませんが、通常の食事はできますし、何よりも見た目の回復というメリットは大きいのではないでしょうか。

即時荷重インプラントのメリットとデメリットを知りましょう

ここまで比較してみると、絶対的に即時荷重インプラントのほうが良い治療のように思いますが、万人にできる治療という訳ではないのです。残念ながら100%成功するインプラント治療ばかりではありませんから、利点は勿論のこと、欠点も加味しておかなければなりません。

メリット

・インプラント埋入手術の日に同時に仮歯まで入れることができ、食事も可能です。
・通院回数が、従来のインプラントよりも少なくて済みます。
・仮歯で補われるため、発音しにくいなどの支障がありません。
・手術と通院の回数が減れば、それだけ検診費用がかからないため、トータル金額では
 費用を抑えることにつながります。

デメリット

・骨量や骨の性質が一定の条件を満たしている場合にのみ可能です。
・インプラント埋入手術の日に仮歯取り付けまでおこなうため、施術日にはとても時間の
 かかる手術になります。
・高度な知識と技術が必要な治療であるため、CTなどの設備の整った歯科医院や施術できる歯科医師が限られています。
・全身の健康状態によって、施術が受けられない場合があります。
・噛み合わせに問題がある場合には施術できないため、先に調整や治療が必要になること
 もあります。

即時荷重インプラントの治療後気を付けるべきこと


画期的な治療法とはいえ、歯科医師の注意事項を守らなければ治療の失敗に繋がってしまうこともありますので、気を付けるべきことはしっかり押さえておきましょう。
○術後しばらくは固いものは食べない
しばらく(1~2週間)は流動食が望ましいとされています。その後はおかゆ、うどん、豆腐、ゼリーなど、あまり歯に圧力のかからない食事を意識していただきたいと思います。
食事に関しては、歯科医院によって方針に若干差があることがあり、具体的に歯科医師もしくは歯科衛生士から指導がありますので指示に従ってください。
○口腔内は清潔に保ちましょう
インプラントはメンテナンスを怠ると「インプラント周囲炎」といって歯周病と同じような歯ぐきの病気になってしまいます。周辺組織がインプラントとの結合を妨げたり、顎の骨が破壊されてインプラントを支えることができなくなることもあります。
○噛み合わせの違和感はすぐ歯科医師に相談を
噛み合わせに不具合が起こると、インプラントに過度な負担がかかり、インプラントが安定しないことにもつながります。噛んだ時にどこかが当たる感じがするといった違和感はそのままにしておかずに、すぐに歯科医師に相談して咬合調整してもらいましょう。

即時荷重インプラントの費用相場はどれくらい?

インプラント治療全般保険適応外のため、自由診療ということもあり、歯科医院によって差がありますが、費用の相場は35~40万円です。即時荷重インプラントも、さほど変わりませんが、従来のインプラントは、インプラント体埋入後に定期的に術部のチェックで来院する必要があったり、安定した後に再度装着のための施術が必要になったりと、通院回数が増えます。その分治療費がプラスでかかることもありますので、費用に関しては治療の同意をする前に説明の段階でしっかり確認しておきましょう。

即時荷重インプラント法のひとつ「オールオン4」のご紹介


即時荷重インプラントを応用した方法で「オールオン4」という方法があり、最近せい術できる医院も増えつつあります。これは全ての歯を失い、総入れ歯にするようなケースの方が、1本ずつインプラント体を入れるのではなくできる方法です。上下の片顎に対し、4本(または6本の場合もあり)のインプラント体を骨の安定した部分を活用して埋入し、総入れ歯のように連結した人工歯の装置を即日装着できます。入れ歯のように外れることもなく、支えもあるので安定感もあり、固いものを避ければ、当日から食事も可能になります。

まとめ

即時荷重インプラントは、埋入後の安定を待つ期間の、見た目や機能的な不具合をカバーできるため、とても画期的なインプラント治療といえるでしょう。とはいえ、技術的にも高度であり、設備的にもそれに応じたな機器が必要となるため、どのインプラント歯科でもおこなっている訳ではありません。また、誰でも受けられる口腔内の状況ともいえません。まずはご自身の状況を精査してもらうため、即時荷重インプラントに対応している歯科医院に相談しましょう。