東京日本橋デンタルクリニック

患者様の負担を最小限に抑える
インプラント専門クリニック

前歯のインプラント

前歯を失った際の治療方法としては、インプラント以外にもブリッジや部分入れ歯などがあります。

しかし、その中でもインプラントは、機能性と審美性の両方を兼ね備えているため、多くの歯科医院で取り入れられるようになりました。

では、前歯にインプラントをする具体的なメリットをご紹介していきます。

前歯のインプラントのメリット

単独植立が可能

インプラントが他の治療方法と大きく異なるのは、周囲の歯に負担がかからないことです。ブリッジや部分入れ歯は周囲の歯の支えが必要となり、健康な歯に負担をかけてしまうことになります。
インプラントの場合、骨に埋め込んだインプラントを土台にして人工歯を立てることができ、健康な歯に負担をかけなくて済みます。

しっかり噛める

ブリッジや入れ歯で問題となるのが、噛む力が大幅に弱くなり、硬いものを噛み切るのが難しくなることです。
それに比べて、インプラントは噛む力が天然歯に近いため、違和感なく食事を楽しむことができます。

長く使い続けることができる

ブリッジや入れ歯は、土台の歯や周りの歯の変化や影響を受けるため、長期間使い続けることが難しく、寿命が短い傾向にあります。
しかし、インプラントは、しっかりとメンテナンスを行っていれば、10年たっても問題なく機能しています。

前歯を失ったとしても、以前と変わらないように生活していくのであれば、インプラントをおすすめします。

続いて、前歯のインプラントについて、実際の治療方法や費用、痛みや腫れなど具体的にご紹介していきます。

前歯のインプラント治療中の仮歯(1歯~複数歯)

前歯であれど、インプラント治療ではあるので、手術内容は大きく変わりません。

患者様の容態やご希望によって異なりますが、大きく「普通埋入」と「即時荷重」の2つの方法があります。

どちらの治療方法もインプラント体を埋め入れ、仮歯をつけていただきます。その仮歯の付け方に違いがありますので、ご紹介していきます。

まず、インプラント治療は、歯を支える骨にインプラントを埋め込んで、その上に人工の歯をとりつける治療です。

その中でも普通埋入とは、インプラントを埋め入れて、そのインプラント体が骨と結合した後に人工歯を装着する治療方法です。

この治療方法における仮歯は、まずインプラントを埋め入れる場所の隣の歯と仮歯を接着します。

こうすることで、審美面の回復に努めます。また、硬い食べ物を食べた際に、取れないように噛み合わせを低くし、短くすることが多いです。

しかし、過剰な力が仮歯に加わると取れてしまうため、他の歯に負担をかけることはないですが、取れる度に歯科医院で接着しなければなりません。

その他、バネ付きの部分入れ歯を仮歯として使用することもあります。その場合、針金が目立つことや取り外すことが欠点となります。さらに、他の歯に負担がかかり、手入れも面倒となります。

即時荷重とは、インプラントを埋め入れたあとにその日の内に仮となる人工歯を装着する治療方法です。

即時荷重での仮歯は、まず専用の土台で仮歯を固定するので取れにくくなります。

また、固定が弱い場合は、隣の歯と接着させることで、固定の弱さをカバーし取れにくくします。さらに、複数の前歯をインプラントにする場合は、ブリッジも併用し取れにくくします。

これらは、普通埋入と同様に一時的なため、審美面の回復を主としますので、硬いものを噛むことは推奨されません。1〜2ヶ月後には、この仮歯と歯肉の間に隙間ができてしまうので、仮歯の修正をする必要が出てくることが多いです。

前歯のインプラント手術は痛い?

operation

手術を伴うインプラント治療ですが、前歯ということで、より痛みや腫れなどを危惧される方は多いです。

結論としては、麻酔を使用するので通常の痛みはほとんどありません。さらに、奥歯と比較しても骨の密度が低く、骨が柔らかいため、前歯は麻酔が浸透しやすく、効きやすい箇所となります。また、上顎の前歯であれば、下顎よりも骨の密度が低く、柔らかいため、特に浸透し効きやすくなっています。

また、無切開のフラップレス手術を行うことで、痛みや腫れが出る確率は下げられます。切開を行う場合は、骨造成や歯肉移植などをした場合の方が、痛みや腫れが出やすくなります。

前歯のインプラント費用

Cost

続いて、インプラント治療で重要視される費用について、ご紹介していきます。インプラント治療は、自由診療となり金額が歯科医院によって異なります。そこで、一例として、当院の費用をご紹介していきます。

まず、前歯のインプラントの費用感として、関係してくるのが審美性の要求度合です。

そのため、「審美性の要求度が高くない場合」「審美性の要求度が高い場合」「審美性の要求度が高い+他の症状も考慮する場合」の3つのパターンの費用をご紹介していきます。

審美性の要求度が高くない場合

前歯を複数本インプラントにした場合などは色合わせが簡単なため、このケースに該当します。

インプラント体
(フィクスチャー)
「オステム社
金属色のチタン製」



13万
アバットメント
(土台)
「金属色チタン合金」


5万
かぶせ物
(上部構造)
「セメント固定
 ジルコニア製」



8万
合計:26万(税別)

審美性の要求度が高い場合

次は、色合わせが難しい場合が該当します。この場合、土台となるアバットメントや被せ物の値段が大きく変わってきます。

インプラント体
(フィクスチャー)
「オステム社
金属色チタン合金製」



13万
アバットメント
(土台)
「ジルコニア製
 白い土台」



9万
かぶせ物
(上部構造)
「スクリュー固定
 ジルコニア製」



15万
合計:37万(税別)

審美性の要求度が高い+他の症状も考慮する場合

最後は、色合わせが難しいうえ、歯肉退縮や歯肉の黒ずみを考慮した場合での費用です。

歯肉の黒ずみは金属性の素材が起因しやすいので、金属アレルギー対応のジルコニアを使用したインプラントを使用します。

インプラント体
(フィクスチャー)
「ジルコリス社
白色ジルコニア製」



27万
アバットメント
(土台)
「ジルコニア製
 白い土台」



¥0(*1ピース時)
かぶせ物
(上部後続)
「セメント固定
 ジルコニア製」



12万
合計:39万(税別)

また、3つの場合それぞれに共通して、インプラント以外の手術費用や月々の検査費用、治療費用などが加わってきます。

費用について詳細に知りたいという方は、当院までご相談ください。

前歯のインプラント治療が難しいケース

Difficult case

前歯のインプラント治療が難しいケースとしては、大きく2つあります。

・骨が薄い場合

・骨の高さがない場合

失われた骨の量にもよりますが、この2つの場合は前歯のインプラント治療が受けられない可能性が出てきます。

骨の薄さや高さは、先天的な要因や歯周病などの要因で決まってきます。

例えば、歯周病で前歯がグラグラしている状態で放置していたり、炎症が起きているのに放置していたりすると、その部分の骨が薄くなり、高さがなくなっていきます。

つまり、先天的な症状以外でも、歯周病などが悪化することで前歯のインプラントができなくなる可能性が高まるということです。

前歯のインプラントができない原因と対策

Causes and countermeasures

前歯のインプラントができない2つのケースについて紹介しましたが、次は、インプラントができない原因について説明します。

前歯のインプラントができない原因

先ほど紹介した歯周病以外にも、原因は存在します。

Cause

前歯のインプラントができない原因

外傷

のう胞、腫瘍

歯周病

歯周病

歯根破折(歯の根っこが折れること)

過重咬合

これらの症状が前歯に発生してしまうと、抜歯をしなければならないことがあります。早期に抜歯をすることができれば、周囲の骨の残存具合や抜歯後の処置次第で、骨が再生します。結果的に、上記のような原因でも前歯のインプラントができることがあります。

しかし、早期に症状を把握できず、前歯に違和感があるのを騙し騙し使っている方もいらっしゃいます。その状態が数年続いてしまうと、抜歯をしても骨の量が少なく、回復もしにくいため、前歯のインプラントができなくなることが多いです。

このような状態にならないための対策として、前歯に違和感があるという方は骨の状態をCT撮影し、正確な診査・診断のもとで適切な処置を受けることをおすすめいたします。

また、保険診療でのX線診察は、ほとんど2Dでの診断のため、正確には判断しにくく、抜歯時期が遅れてしまう可能性もあります。そのため、可能であればCTによる3D診断を受診しましょう。

前歯のインプラントが困難な場合の対策

早期に抜歯をして周囲の骨を修復させる

歯周病が悪化して骨が吸収されているような状況では、歯や骨の状態にもよりますが、将来的にインプラントにする可能性があるのであれば、早期に抜歯および原因になっている細菌を除去することが好ましいです。
治療を行えば4〜6ヶ月程度で骨の再生が見込めます。状態が悪くなればなるほど骨の再生できる量に悪影響があります。このような場合では極力抜かずにだましだましながら得させてしまうことはかえってマイナスです。
適切な診断を行うためには、平面的なX線写真ではなく、骨の状態を立体的に見れるCTを使って経過観察することが望ましいです。

骨造成治療を行う

骨の高さや厚みが不足している場合に人工骨で補う治療です。

骨拡大治療を行う

インプラント(人工歯根)を歯槽骨(歯を支えるあごの骨)に埋め込む際には、通常ドリルで骨を削りますが、極細の器具を使って骨に穴を開けて、徐々に太い器具に変えていくことで穴を拡大していくのが骨拡大治療です。
骨が薄い場合でも治療が可能になる場合があります。

形状に特徴のあるインプラントを使用

骨に厚みがない場合は細いインプラント、骨に高さが足りない場合には短いインプラントといったように、一般的なインプラントとは異なる形状のインプラントを使用することにより治療が可能になる場合があります。

傾斜埋入

骨が少なくなっている箇所を避けて斜めにインプラントを埋め込む治療ですが、治療が可能になる条件はかなり限定的になります。

この他、骨の状態によっては可能になるケースもあります。

リスクを伴う場合には、インプラントを避けブリッジや入れ歯を選択することも検討する必要があります。

骨造成(GBR)による前歯のインプラント治療

GBR

前歯のインプラントができない場合として、「骨が薄い場合」、「骨の高さがない場合」についてご紹介してきましたが、これらの場合も骨造成(GBR)法を施すことで前歯のインプラント治療をすることは可能となります。

骨造成(GBR)法とは

骨造成(GBR)法とは、骨を増やしたい箇所に、人工骨や自家骨(患者様の自身の他の箇所の骨)を使用し骨の量を人工的に増やし、特殊な膜(メンブレン)を使用して、歯肉を縫合する治療方法です。インプラント手術を同じ手術で行う同時法と先に骨造成を行う段階法があります。

メリット

骨が薄かったり、高さがない箇所にもインプラント手術を施せる

デメリット

合併症の可能性やインプラント手術の予後に不安を与える可能性がある

具体的には、歯肉退縮や炎症、排膿などの合併症が5〜20%起きるという研究結果が出ています。さらに、天然歯(元々生えている歯)と比較し、強度などは劣るため結果的にインプラント手術後は経過観察やメンテナンスが重要になってきます。

それ以外にも、以下のようなデメリットが存在します。

※当法人では、上記のリスクなどを考慮し、極力、骨造成(GBR)を避けることが良いと考えています。

前歯のインプラント時に骨造成をしなければならないようであれば、しっかりとメリットとデメリットを理解しましょう。また、前歯は食べ物を噛むこと以外にも見た目が重視されますので、安易に骨造成を選択せず、担当医の方としっかりと話し合ったうえで、治療に臨むことをおすすめします。

インプラント治療した前歯の10年後

インプラントができたとしてもその後もリスクがあることも理解しましょう。

骨造成などの方法でインプラントができたとしても、10年後などの将来的には、問題が起こる可能性があります。

その一例として、「インプラント周囲炎」があげられます。

膿や血が出ることで、骨が痩せて細くなり、インプラントが抜けやすくなったり、グラグラと動いたりします。

さらに、年月が経つことで歯肉が下がったり、薄くなったりすることで、インプラント自体が見えてしまい、結果的に口元の見た目が悪くなる可能性があります。

これらの問題の要因は、骨や歯肉の薄さだけでなく、日頃の歯磨きやタバコ、歯ぎしりや食いしばりなども関係してきます。

前歯のインプラントを骨造成などの治療で行った場合などは、手術後のメンテナンスや定期検査を怠らないようにしましょう。