インプラントデンチャーは、インプラントと入れ歯を特殊なパーツで繋げて作るものです。
通常のインプラント治療では、上部構造(かぶせ物)を取り外すことができません。
それに対してインプラントデンチャーは、入れ歯部分を自分で取り外せることが特徴です。
インプラントオーバーデンチャーのメリット
Merit
入れ歯よりもしっかり噛める
入れ歯には、強い力がかかることでずれるというデメリットがあります。また、天然歯と比べて噛む力も半減してしいます。その結果、弾力のあるものをしっかり食べることができず、食事に対する楽しみが失われてしまう場合があります。
インプラントオーバーデンチャーは、インプラントによって入れ歯をしっかり固定すると、硬いものでもしっかり噛めます。
総入れ歯がしっかり
固定できる
部分入れ歯は両端に留め部を付けて隣接する歯に固定しますが、総入れ歯は固定元がないため歯ぐきに吸着する作りになります。このため、日常生活でのお口の動きでずれたり外れたりすることもあります。
インプラントデンチャーは、インプラントが固定元となるため、このような心配がなくなります。
歯ぐきが痩せにくい
歯槽骨(歯を支える顎の骨)は歯がなくなってしまうと徐々に減っていき、結果歯ぐきが痩せたように見えてしまいます。入れ歯が合わなくなってくるのもほとんどはこのような理由です。
インプラントデンチャーはインプラントを歯根(歯の根っこ)の代わりに埋め込んでいるため、歯槽骨が減りにくくなります。
修理しやすい
インプラントオーバーデンチャーは、とてもシンプルな構造となっています。そのため、破損したときに修理しやすいのです。それだけ、修理にかかる時間も短くなるため、生活への影響を抑えられます。
治療費を抑えられる
埋め込むインプラントの数が多ければ多いほど治療費が高くなります。インプラントオーバーデンチャーは、最小2〜4本のインプラントを埋めるだけで適用できます。そのため、治療費を抑えられます。
クリーニングしやすい
インプラントオーバーデンチャーは、入れ歯部分を取り外すことができます。そのため、入れ歯洗浄剤などでクリーニングして、常に清潔な入れ歯をつけることができます。インプラントの場合は、丁寧なブラッシングが必要です。
インプラントオーバーデンチャーのデメリット
Demerit
入れ歯が摩耗しやすい
インプラントオーバーデンチャーはよく噛めますが、それだけ入れ歯にかかる力が大きくなります。
そのため、通常の入れ歯と比べて摩耗しやすいのです。それだけメンテナンスの頻度が高くなり、通院の手間がかかります。
違和感が残る場合が
ある
インプラントオーバーデンチャーを装着した際には、違和感を覚えることがあり、噛むことに抵抗を感じるかもしれません。
慣れるまで我慢すればよいだけなので、大きなデメリットとは言えないでしょう。
適用できない場合が
ある
インプラントオーバーデンチャーを適用できるかどうかには、顎の骨の量や骨質などが関係しています。
必ずしも適用できるとは限らないので、まずは検査を受けることが大切です。
治療費が高い
インプラントオーバーデンチャーは、通常の入れ歯に比べて治療費が高額です。
入れ歯を作ることに加えて、インプラントを埋め込む手術が必要なため、仕方のないことと言えるでしょう。
医療保険が
適用できない
総入れ歯は医療保険の適用範囲内で作成することもできますが、インプラントデンチャーはインプラント治療を併用するため自由診療になります。
メンテナンスが必要
インプラントデンチャーは、装着する入れ歯のメンテナンスに加えて、埋め込んだインプラントのメンテナンスも必要になります。
インプラントはメンテナンスを怠ると、歯周病のような病気(インプラント周囲炎)にかかってしまうため、メンテナンスが欠かせません。
インプラントオーバーデンチャーの種類
Variation
埋め込むインプラントと入れ歯を繋げるアタッチメントに様々な種類があります。お口の中の状態やご予算などに合わせて、最適なものを選ぶことが大切です。アタッチメントには、次のような種類があります。※取り扱っている種類は医院によって異なる場合があります。
ロケーターアタッチメント
ロケーターアタッチメントは、インプラントと入れ歯に樹脂製のパーツを取り付けて繋げます。樹脂は柔軟性があるため、入れ歯にかかった力を和らげることができます。そのため、インプラントへの負担も軽減でき、より長く使うことができます。
ただし、樹脂製のアタッチメントは金属のものと比べて摩耗しやすいため、定期的に交換しなければなりません。
マグネットアタッチメント
磁力で入れ歯を支えます。インプラントには金属を取り付け、入れ歯には磁石を取り付けます。入れ歯の磁石がインプラントの金属を引き寄せることで、接着させるのです。もちろん、ただの磁石ではなく医療用の強力な磁石を使うため、簡単には外れません。
上顎のインプラントオーバーデンチャーに使用されることが多いです。上顎は、下顎よりも耐久性が低いため、強い力が加わることでインプラントが抜けることがあるのです。マグネットアタッチメントは、顎への負担を減らすことができます。
Oリング(オーリング)アタッチメント
インプラント体の上部に球状または半球状のアタッチメントを取り付け、入れ歯側に取り付けたドーナツ状のゴムにはめ込むことで固定します。
入れ歯にかかる強い力をゴムで吸収できるため、インプラントにかかる負荷を軽減でき、入れ歯やインプラントを長持ちさせることができます。
ゴムの劣化によって、入れ歯の維持力が低下してきたときは、Oリングを交換する必要があります。
インプラントオーバーデンチャーの価格
ロケーターアタッチメント 88,000円/本
Oリングアタッチメント 88,000円/本